オーストラリアのニューサウスウェールズ(以下NSW)の州教育省が、人々の性的指向の自由を認めるある方針を打ち出した。性同一性障害に悩みながら成長する子どもはいつの時代も一定数いるといわれるが、教育省は「辛ければ性転換手術もアリ」と認めたとのこと。保護者の間で物議を醸しているもようだ。
NSW州教育省(Department of Education in New South Wales)に批判が集まってしまったきっかけは、性同一性障害に苦しんでいるという4歳児の性転換手術を「支持する」と表明したこと。しかし児童臨床心理の専門家は「心身の発達がいちじるしい段階にある4歳という時期に、大人が性的な方向を決めつけたり性転換手術に安易に導くのはあまりにも尚早」と反論しており、保護者らも同教育省の姿勢に猛反発している。
またトランスジェンダー(自己が認識する性別と身体的性別が一致しない人)の人権擁護活動家なども同じように危機感を表明している。性同一性障害のカミングアウトや性転換手術は一度でもそれをすると、家族や自分自身、学校、職場、そして社会のすべてに対して「撤回」が利かない。専門家との慎重かつ辛抱強いアプローチを続け、「後戻りはしない」という強い意志のもとで行うべきことだとし、「教育省はそうしたプロセスも経ずになんと無責任な」との批判が集中しているもようだ。
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