経済専門家の楽観論は、こういう最終製品への価格転嫁が
行われ、実質的にほとんどの消費財の値上げが進んでもなお、
原油の値段が1バレル当たり70ドルを越えない限り、日
本経済は実質成長を続けること方できるというものだった。
「実質成長」というのは、そん暮に重要なものなのだろうか、
と私は思う。社会や産業構造が今日のように化石燃料に依存
している状態から、それに代わる新エネルギーを基礎とした
社会や産業に転換していく過程では、少々の景気停滞や倒産
や失業が起こるのはやむを得ないだろう。日本は自由主義経
済であり計画経済ではないのだから、人々は自由に各人の将
来を考えて行動する。その中には将来を見誤る人も出てくる。
儲かると思った商売が失敗したり、伸びると思った産業が衰
退することは、よくあることだ。そういう失敗を経験して、
人間が成長するという善い点もある。
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