そもそも「痛み」とは何でしょう?実は同じ「痛い」にも、種類があろのです。まずは時間による判別。発症から3カ月以内は「急性痛」、それ以上長引いたら「慢性痛」です。また、原因によっても3つに分かれ、「侵害受容性疼痛」「神経障害性疼痛」、それに「心因性疼痛」があります。3つのなかで最もわかりやすいのは、侵害受容性疼痛で、たとえば転んでけがをした時に感じる痛みです。皮膚にある痛みのセンサーが刺激を感知し、神経を通じて脳に警告信号を送るわけですね。これに対して、けがをしていないのに、神経そのものに不具合が起ることで、「痛い」という信号を送り続けるのがです。
神経障害性疼痛です。一方、心因性疼痛というのは、夫が失業した、介護に疲れきっているといったストレスによって、慢性的な痛みがさらに悪化した状態を言います。「心因性」は、もともとある痛みに振り掛ける“スパイス”のようなものと考えてください。スハイスの加減によって、痛みの「味」はずいぶん違ったものになるのです。つまり、3日前になったギックリ腰と、5年越しの腰痛に苦しんでいるのとでは、痛みの質がまったく違うということ。当然ながら、違う治療が施されなければなりません。当院に来る患者さんの多くは、慢性の疼痛に「心因性」も絡み、苦しんでいらっしゃいます。
市販の痛み止めが効かず、やむなく整形外科や内科を受診したものの、そこで渡された薬を飲んでもやっばり症状は改善しない。藁にもすがりたい気持ちでいるところにペインクリニックの存在を知ってやってくる、というパターンが非常に多いのです。話を聞くと、「病院で『原因は老化です』と言われました」という方が、少なかりずいます。でも私に言わせれば、その診立てはあまりにも無責任です。年を取れば、体が老化するのは当たり前。後で述べますが、軽減できる手立てはちゃんとあるのです。CTでもMRIを撮っても、『異常なし』でした」とおっしやる方も、これまた多い。骨がどうにかなっていれば、画像で判別可能です。では神経はどうでしょう?
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